ヒーターの製造工程をIoTにて管理、作業の進捗状況を共有する

人手不足が深刻である。日本の製造業においては、従業員による創意工夫や改善活動によって様々な課題を解決してきた。しかし不足する労働力を工夫や改善によって補い続けられない。現場の努力が限界に近づいた今、IT(情報技術)の活用が強く望まれている。

ITを駆使した生産現場の作業効率化や業務改善が求められている。多くの中堅中小メーカーでは、依然として作業工程管理にExcelやホワイトボードが多用されている。これまでの工程管理システムは、多機能かつ操作が複雑で、IT技術者がいなければ実運用が難しいものだったという。ユニアデックスは、医用・科学機器&ヒーター機器メーカーのサカエと共同で、IoTデバイスを持つ「工程管理ソリューション」の実証実験を3月末まで行う。

工場の作業効率や業務改善を支援するため、現場に即すよう機能を絞り込み、シンプルな操作性を持ちITの専門知識がなくても利用できるしくみを開発してきた。その成果を実際に試す今回、サカエ鬼石工場のヒーター製造工程に、ユニアデックスが作業工程の進捗状況を取得するためのIoTデバイスと工程管理のしくみを適用し、従来の工程管理手法と比べて、手続きの容易さや社内情報共有のスピードがもたらす効果について検証する。

各製造工程に「IoTデバイス付きのネットワーク装置」を設置。作業員の作業状況をIoTデバイスのスイッチが「ON/OFF」されることで集約集計し、全ての作業進捗状況――情報を大型画面で共有できるようにする。ユニアデックスは中期経営計画にて、顧客のデジタルトランスフォーメーション(DX)戦略実現を支援するビジネスへの取り組みを積極的に進めている。

一連の取り組みのなかで、中堅・中小製造業向けソリューションの創出をめざし活動している。今回、上記検証の結果を基に「工程管理ソリューション」の改善・改良を重ね、これを'20年度上期から提供していく構えだ。