人の仕事を支援する人工知能(AI)の採用がさまざまな分野および産業領域で拡大している。製造現場においても、省人化を最大のテーマとして、AI技術の活用がはじまっている。とくに目視検査をする人員の削減が重要な課題になっている。
近年、それは世界共通のテーマであり、AI技術による解決を模索している段階だという。キヤノンITSは、高速かつ小型軽量のHMS社製産業用AIスマートカメラ「SiNGRAY Iシリーズ/Rシリーズ」の提供を開始する。同製品は、高精細画像センサ入力と高機能組込み画像処理装置を一体化したスマートカメラで、カメラ本体とEasyAIパソコン側SDKパッケージで構成されている。
Iシリーズは検査用AIスマートカメラ、Rシリーズは3DAIスマートカメラの位置づけで、それぞれ高性能かつ最適なイメージセンサを搭載。共にGPT(グラフィクスプログラミングツール)でWindowsとLinux(Ubuntu)をサポートしている。日本語、英語、中国語、フランス語が使用できる。
ユーザビリティに優れた開発ツールが付属していて、この開発環境からディープラーニング(深層学習)技術を使った画像処理システムが構築できる。これまで目視では判別困難であった対象物に対するより正確な画像判定や、分類ができるシステムを短期間で開発可能だという。キヤノンITSは、今後も最先端技術を搭載した製品をものづくり現場に届けていく。
マシンビジョンシステム製品(産業用カメラ、産業用パソコン、画像入力ボード、画像処理ソフトウェア、さらにカメラと処理エンジンが一体型したスマートカメラなど)を中心に、製造現場に向けたソリューションを提供していくという。同社は、高い精度・高速処理が必要とされる各種検査機器、医療機器、印刷機器などに採用された経験を生かして、引き続き顧客の製品品質の向上や、コストの大幅な削減に貢献していく構えだ。