情報通信
防災行政無線の情報をテレビとスマホに同時配信、聞き逃しにも対応
地震・台風・豪雨・津波など多くの自然災害に見舞われてきた。わが国では、東南海・南海地震、東海大地震および首都直下型地震の発生も懸念されていて、災害発生時にその規模、位置や状況を把握し、いち早く正確な災害情報を地域住民らに伝達する必要がある。
そうした理由により、国および地方公共団体が非常災害時における災害情報の収集・伝達手段の確保を目的として、防災用無線システムが構築されているという(総務省電波利用ホームページ)。行政は防災無線を使って緊急避難情報などを伝えているものの、集合住宅の高層化、建築構造の密閉化などの背景もあり、「屋外スピーカーの放送が聞こえにくい」といった住民からの苦情が増えている。
そこで、老若男女問わず簡単に利用できるテレビに着目。ケーブルテレビ局が地域密着情報を提供するコミュニティチャンネルのデータ放送で、「緊急情報」、「避難勧告」、「避難指示」などの防災行政無線を聞けるようにする取り組みが各地で行われるようになったという。メディアキャストは今月、各自治体等が発信する防災行政無線とテレビ(データ放送)やスマートフォンを連携する「防災行政無線連携システム」の販売を開始する。
今回開発したシステムは、複数の防災行政無線の音声をコミュニティch等のデータ放送に送出する。これにより、視聴者は明瞭な音声で何度でも繰り返し防災情報を聞くことができる。スマホアプリへの同時自動配信も可能で、テレビが使えない時や外出時には強制プッシュ通知で情報伝達される。既存のデータ放送システムと容易に連携でき、自主放送設備側でのTSポート増設や各種放送設備(信号発火など)の追加は不要だという。
統合型データ放送ソリューション「DataCaster M3」を導入している全国100局以上に販売活動を行う。3月末に出荷開始予定の同システムは、ケーブルテレビによる地域防災への貢献を促進するという。