スマートシティの技術を導入、学園キャンパスに安心安全を提供する

学び舎およびその周辺において児童・生徒を巻き込んだ犯罪の発生が度重なり、社会全体に懸念が広がっている――。日本では、国や自治体による防犯活動だけでなく、より充実した安全対策の実施が学校に要望されている。

今春始まる新しい学習指導要領などにより、教職員の勤務負担が増加するだろう。教育現場の実態に合わせた効率的かつ効果的な安全対策に対するニーズも高まっているという。NTTグループは2月、学校での安心安全を提供するスマートキャンパスソリューションの開発に向けた共同検討を、田園調布雙葉学園と開始する。米国ラスベガス市で展開中の公共安全ソリューションに用いられている技術を日本で初めて導入するという。

高解像度ビデオカメラ、音響センサーおよびIoTデバイスを活用し、同学園の校内における危険箇所の状況把握ができるデータ収集基盤(関連PDF資料)を構築。児童・生徒にとって危険な事象を分析・予測し、学校安全対策の強化を実現するソリューション開発を検証する。その第1段階として、車両の往来を監視・把握するシステムを導入し、児童・生徒が道路を跨いで校舎間を移動する際の安全確保に向けた仕組みづくりを行う。

その後、上記システムの運用を通じて、より広範な安全対策シーンの把握・対策検討を行い、AIや機械学習技術などの状況分析技術ならびに5Gなどの最新ネットワーク技術を活用した新たなソリューションの創出をめざす。第一弾ソリューションの運用をベースに田園調布雙葉学園との議論を通じ、「学校施設内での安全対策シーンの抽出」、「ICT技術を用いたソリューションの創出、システム構築・運用面での技術的課題の洗い出し」

さらに「汎用的なキャンパスソリューションとしての実現性検証」を学園とともに検討するという。NTTグループは、新たなスマートキャンパスソリューションの'20年夏商用提供を目標にしている。