羽田空港にレベル3自動運転バス登場!電気で走る

令和2年になって、社会インフラが大きく変わろうとしている。LTEよりも高速・大容量の第5世代移動通信(5G)サービスが本格化するうえ、その低遅延性と多数同時接続性を活かした次世代の交通システム、および移動手段である自動運転車両の運行が始まる。

限定地域での無人自動運転移動サービス実現が「官民ITS構想・ロードマップ2019」(官邸PDF資料)にすでに明記されている。自動運転システムが作動時、すべての動的運転タスクを実行する――自動パイロット/レベル3(条件付自律運転)の市場化や、レベル4(高度自律運転)車両の区域・地域限定移動サービス開発が加速していく。その対象として、上記資料には、空港利用者移動車両が言及されている。

今月22日、ANAは、SBドライブ先進モビリティビーワイディージャパンの協力のもと、同日から31日まで、羽田空港の制限区域内において「大型自動運転バスの実用化」に向けた実証実験を実施し、年内における羽田空港での試験運用を目指すと発表した。Simple & Smartな空港オペレーションの具現化、航空分野におけるイノベーションを推進中の同社は、自動運転技術の実用化について、一昨年より実証実験を重ねてきた。

そして今回、実際のオペレーションを想定した1周約1.9km(羽田空港第2ターミナル制限区域内の北乗降場→65番スポット付近→北乗降場)で、BYDの大型電気バスK9に自動操舵・制動装置やセンサ、制御・認識処理コンピュータ等を搭載したレベル3相当車両を走らせる。技術・運用両面の課題を抽出し、必要な環境整備の検証も行い、規定ルートでのバス輸送における自動運転技術の実用化につなげていくという。

航空業界全体の課題であるCO2排出量の削減もめざす。ANAは自律電動バスによる、顧客の乗り継ぎの利便性向上や、空港従業員の移動の効率化を目的とした試験運用を年内に開始する。