東洋の伝統療法をデジタル技術で支援する

健康寿命の延伸をめざす。患者が多様なヘルスケア手法を選択できるよう、東洋療法(あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう)における療養費の受領委任払い(施術者が保険者に代理申請。患者は自己負担分のみ支払う)が可能となった。

WHOに鍼灸などの伝統医療が認定され、その価値を認識する機運が高まっている。日本では現在、東洋療法の施術録は紙媒体で記録していることが多い。電子データとして蓄積されていないため、施術の客観的な分析、効果測定や経過観察等が難しい状況にあるという。NECソリューションイノベータは今月21日、「NEC東洋療法支援ソリューション 施術ノート管理サービス」の提供を開始する。

あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師を支援する。同サービスは、東洋療法特有の施術録の記録データをクラウドに保管し、データの記録・分類・整理等を手軽にできるようにする。各種施術師の業務負担を軽減し、よりよいヘルスケアを人々に提供することを支援する。記録や管理に加え、従来施術者が手書きしていた「療養費支給申請書」の作成もデジタル技術でサポートするという。

施術ノート管理サービスでは、脈診・舌診・腹診などの各種検査結果、SOAP方式(主訴、所見、評価、施術方針と今後の計画等)での記述、痛み指数(NRS)、関節可動域(ROM)、筋力(MMT)、日常生活動作(FIM、BI) など紙媒体と同様の項目が記録できる。タイムリーな記録・分類・整理を可能にし、施術所の業務効率を向上するとともに、患者情報の検索等が容易にできるようになる。

施術情報を高セキュリティのクラウド上で管理することで、出張施術時の記録・検索・データ利用や、災害時における施術録の消失防止も支援するという。同社は今後もICT(情報通信技術)の活用を通して、東洋療法の持続的な成長と、人々の選択の自由及び自発的な健康維持とが叶う世界を後押ししていく考えだ。