平城京を呼べばすぐ来る自動運転バスでゆく

あおによし、なんときれいな平城京。――そこは710年に藤原京から移り、784年に長岡京に移るまでのあいだわが国の都であった。奈良県奈良市から大和郡山市に及ぶ広大な京域のうち、朱雀大路から朱雀門をくぐって北に見える、大極殿の周辺はいま国営の歴史公園となっている。

平城宮跡歴史公園において、自動運転バスの実証実験を行っているPerceptIn Japan(パーセプティン)は今月18日より、富士通のオンデマンド交通クラウドサービス「FUJITSU Future Mobility Accelerator」の運用を行う。両社は昨年6月来FUJITSU ACCELERATOR第7期への参加をきっかけに「マイクロ・ロボットタクシー」と「オンデマンド交通サービス」との連携による地域交通サービス/ビジネスモデルを模索してきたという。

11月からの同公園における8人乗り低速電動車両を活用した「マイクロ・ロボットタクシー」サービスの実証実験。園内周遊コースに設けた3つの停留所では、予約受付担当がトランシーバーで連絡し合いながら各停留所の乗車可能人数を数え、先着順の乗車としていた。そのため、利用者は、停留所に来たが満席で乗れないとか、いつ乗れるかもわからない状況にあった。

そこで今回、「マイクロ・ロボットタクシー」の現在位置や定員人数などの情報と、利用者の人数、時間、乗降する停留所といった予約情報を即座に「オンデマンド交通サービス」で自動マッチングさせる。これにより、自動運転で周遊する車両と複数停留所での需要等に応じた効率的な配車が可能となるかを検証する。実験では、運行車両内にいるセーフティードライバーが実際の乗降人数などの情報を、富士通提供の専用アプリに入力する。

検証結果を基に両社は、地域活性化に貢献するモビリティサービスの実現に向けて、互いのシステム要件の抽出および改善・検討を行っていくという。