衝突を回避したり急発進を防いだりする。先進安全支援システム"ADAS"は、日本でもその必要性が急速に高まっている。車載カメラやセンサ/レーダ、LIDAR(レーザ画像検出・測距装置)からのデータを処理し、車の周辺状況に応じて人の安全行動を支援する――。
一方で、大量の情報が車に流れ込むことを意味する。ADASテクノロジでは、プロセッサ/システム・オン・チップによる高速リアルタイムな多重処理が求められる。車載されるそれは低消費電力でなければならない。先進的な車で要求されるのは情報処理機能のシームレスな統合であり、車載ゲートウェイにおいては大量データの管理や、自律性と接続性強化に対応可能な自由度の高いプロセッサだという。
日本TIは7日、米ラスベガスで開催中のCES2020にて、新しいプロセッサ・プラットフォームを発表した。車載システムと機能安全性分野で数十年に渡る同社のノウハウをもとに作られた同プラットフォーム「Jacinto™7」は、ディープラーニング能力が増強され、ネットワーク機能が進化。ADASと車載ゲートウェイ・アプリの設計課題の解決に役立てられる。
システム・オン・チップとして先ずADAS及び自律化用の「TDA4VM」とゲートウェイ及びアプリ向けの「DRA829V」が用意された。どちらもコンピュータビジョンやディープラーニングのようなデータ集中型タスクをセグメント化し高速化する、専用のチップ内蔵アクセラレータが備わっている。機能安全マイコンも内蔵しているため、チップ1つで、ISO規格で最高の安全基準ASIL-Dレベルに必須のタスク支援と、各種便利機能が同時に実現できる。
わずか5~20Wの電力で高性能ADAS操作を実行する。前者は中央集中プロセッサとして、たとえばサラウンド・ビューやモニタ画像処理など自動パーキングに不可欠な機能を支援し、車の認識能力を360°に広げるという。