標的型攻撃やランサムウェア、サプライチェーン攻撃などに対抗する。法人向けネットワークセキュリティ製品及びサービスは、次々に登場する新たな脅威や高度化・複雑化する脅威を前に常に進化が求められている。その市場規模は、継続的な拡大が予想される。
一方で、高度なセキュリティサービスの需要増やサービス案件の増加などにより、ITセキュリティビジネス市場においては技術者が不足し、需要に対応しきれない状況が続いているという。富士キメラ総研は、クラウドやIoTの利用拡大による新しい需要の創出も期待される法人向けのネットワークセキュリティ製品・サービスの国内市場を調査。その結果を「2019 ネットワークセキュリティビジネス調査総覧 市場編」と「同 企業編」にまとめた。
市場編ではセキュリティ製品26品目、セキュリティサービス18品目の市場を分析し、将来を展望した。企業編ではセキュリティソリューションプロバイダー29社、セキュリティツールベンダー21社の分析を行った。調査の結果、注目市場として、クラウド向けセキュリティ対策ツール「CASB」、エンドポイントでの脅威検知・対応ツール「EDR」、「メール標的型攻撃訓練サービス」、「サイバー保険」の4領域をあげている。
セキュリティ製品はクラウド型やサービス基盤向けの需要が好調であり、大手企業を中心にセキュリティシステム環境の内製化が進む、今後も堅調な拡大が予想される。また、セキュリティサービスは、高度なセキュリティ運用ニーズが強いものの、技術者不足やクラウド化などに因り、製品よりも伸び率が低くなるだろう。国内の法人向けネットワークセキュリティ製品・サービス市場は'18年度に約5千億円。'23年度には6.6千億円超が見込まれる。
IoT分野でのリスク対策が必要になるほか、中堅・中小企業も加えたサプライチェーン防衛策と教育サービスが求められるだろうという。