IoT積雪深計測、30自治体で実証実験はじまる

世界有数の雪国であり、およそ2千万人がそこに暮らしている。日本の国土の約半分を占める豪雪地帯では、適切な除雪作業に資する積雪状況把握は重要な工程であり、多くの自治体において職員や地域住民による目視確認が行われている。

国交省が「豪雪地帯・特別豪雪地帯の指定」(PDF)情報を開示している。一方で全国的な人口減少と高齢化に伴う人手不足、深夜・早朝の見回り負荷の軽減、天候の急変にも対応できるリアルタイム性の高い確認手段が求められているという。アクセルマークMomoは今月25日、両社が共同で計画中の除雪の効率化を目的としたIoTセンサーを用いた積雪深計測の実証実験への申込数が上限の30枠に達したことを発表した。

両社は現在、積雪深センサーの設置を進めていて、設置完了エリアから順次計測を開始する。Momoが開発したネットワーク型積雪深センサーとアクセルマークが開発したクラウドシステムを用いたしくみは、観測地点の積雪状況を24時間リアルタイムに可視化し、パソコンおよびスマホからいつでも積雪深情報が取得できる状態とする。

積雪の目視監視が不要となり、現地へ赴いて目視確認する「見回りコスト」の削減と目視計測における感覚値、経験則による計測誤差を解消する。観測情報をもとに除雪車の運行管理を行うことで、より効率的な除雪作業が実現でき、降雪から除雪までのスピードを大幅に上げられるという。両社はIoT積雪深計測の商用化を'20年積雪シーズンに計画している。

実証実験に参加するのは、北海道江別市・小樽市・北見市・函館市・富良野市+1、 青森県黒石市・弘前市・むつ市・今別町・三戸町、岩手県滝沢市+1、山形県酒田市、福島県会津若松市・須賀川市・南会津町、山梨県北杜市・富士河口湖町、新潟県三条市・上越市・長岡市・十日町市、富山県砺波市、石川県加賀市・津幡町、長野県伊那市・松本市、鳥取県大山町・琴浦町だ。