消防庁と政令指定都市、広域災害発生時に鮮明映像で情報共有へ

市民の生命と身体と財産を保護する。市町村で運営されている各消防機関には精鋭部隊があり、地域住民の「安全・安心」を守っている。けれど大規模ないし特殊な災害が発生すれば、地域の消防機関だけでは対処できないこともある。

そんなとき、被災地の要請を受けて、空や陸から「緊急消防援助隊」が駆けつけ、地域を越えた消火・救助活動を実施する(消防庁PDFより)。広域災害が起こった際の、各政令指定都市との映像による情報共有を円滑に行い状況確認や緊急消防援助隊の運用などを強化すべく、総務省消防庁において、鮮明な映像をどこからでも閲覧、同時に通話も可能なしくみが選択されたという。

ソリトンは今月23日、同社の映像配信クラウドサービス「Zao Cloud View」が消防庁の映像共有手段として採用されたことを発表した。同サービスは来年から運用(予定)される。東京都と20政令指定都市の消防本部に、送信機「Smart-telecaster™ Zao-S」が配布され、災害などで電波が不安定な環境においても、同サービスを通して、現場の状況をより安定した映像でリアルタイムに共有できるようになる。

「災害現場での負荷を最小限に抑えながら、映像の共有を支援」し、「ドローンとの併用により、地上、空からの撮影および位置情報の記録も可能」となる。機動性に優れたZao-Sと、伝送された映像を蓄積映像として記録できるZao Cloud Viewの併用により、現地活動に支障を与えることなく、消防庁現地広報員や緊急消防援助隊が撮影した災害現場の映像を共有できる。

それと同時に、ドローンを使用して空からも災害状況を撮影し、Zao Cloud Viewの持つGPS情報記録機能と併せて確認することで、迅速かつ的確な状況把握が可能になるという。ソリトンは、今後も映像伝送に関する技術の開発および製品の提供を通じて、社会に貢献していく考えだ。