観光型MaaSで沖縄の点と点を線に、そして面の楽しみへ

MaaS(サービスとしての移動手段)が各方面で注目されている。日本では各地で、かつて繁華であったニュータウンや限界集落に増えつつある交通弱者らを救ったり、観光地での移動を便利にしたりするMaaSの開発および実証実験が進んでいる。

新たなモビリティサービスの活用により、都市・地方が抱える交通サービスの諸課題を解決することを目指し、国土交通省では日本版MaaSの将来像などを検討する懇談会が開催されている――。近年、世界遺産の「斎場御嶽(せーふぁうたき)」や「おきなわワールド」などに多くの観光客が訪れている。

市内には、那覇空港や那覇市中心部からの公共交通機関も、周遊交通ネットワークも少なく、二次交通の整備や周遊手段が求められているという。沖縄県南城市NECソリューションイノベータりゅうにちホールディングス沖東交通NearMeギフティは、観光型MaaSの実証実験を行う。来年2月21日~3月22日、観光振興および地域の活性化を目的として、客が行きたいところに行きたい時に行けるようにする。

今回の実証実験では、ジャンボタクシーによるオンデマンド交通を利用した那覇空港や那覇市中心部からの移動、および小型モビリティや新公共交通網(支線バス「Nバス」とオンデマンドバスサービス「おでかけなんじい」)を利用した市内周遊に、観光体験等を組み合わせる。期間中、那覇市から南城市への移動や南城市内の周遊を、募集型企画旅行(半日プランと一日プラン)として一般に有料提供する。

企画旅行の参加者は、専用Webサイトを通じて申込みから決済まで行い、追加料金を支払うことなく、小型モビリティや公共交通を利用できるという。6者は、点在する観光資源を線で結び、様々な交通機関を組み合わせた面での交通ネットワークを創出する。上記実証実験の結果を検証し、南城市の観光振興に寄与する観光型MaaSの実装を目指していく。