日本初!ドローンをモバイルネット経由でも操縦できるシステム

日本政府が推進する「ソサエティ5.0」。そこには様々な先端テクノロジを活用する未来、たとえば無人機ドローンによって、離島や山間部の村へ食料や医療品等を届けたり、各種インフラの整備・保守管理を効率化したり、災害救助支援したりする社会が描かれている。

そのように活用の幅が広がっていく、ドローンについて、Wi-Fiなどの特定無線(免許不要)を介して手動操縦を行う場合、最大飛行距離は使用する特定無線の性能によるが、数キロメートル程度に限られている。より遠くまで飛ばせそうなオートパイロットの場合には、あらかじめ飛行ルートを設定するため、飛行途中にルートを変えるなどの柔軟な対応ができないという。

ソフトバンクは、災害時における救助・救援活動などでの活用を目標に、モバイルネットワークを利用して遠隔地から操縦機(プロポ)によるドローンの手動操縦を可能にする「ケータイドローン飛行制御システム」を東京工業大学と共同開発。12月16日に国土交通省から目視外飛行の許可を得て、その実証実験を行った。同システムは本邦初となる、自律飛行と目視内手動操縦との切り替えが自在にできるものだという。

両者は、ドローンとプロポ双方にLTE対応通信モジュールを搭載。東京都江東区青海にいる操縦者が約70キロメートル離れた千葉県長生村にあるドローンを飛行させ、空撮映像の中継による目視外手動操縦、自律飛行、目視内手動操縦への切り替えに成功した。ケータイドローン飛行制御システムは、モバイルネットワークと特定無線の切り替えもできる――。

高度な制御を要する離着陸もしくは現場天候の急変時に、自律/遠隔と、目視手動操縦とが切り替えられ、通信手段の変更も可能となるので、より高い操縦安全性が確保できるという。同社は'16年来、ドローンを用いた雪山・山岳遭難者救助を研究していて、今後は上記システムの実用化を目指し、官民連携も進めていく構えだ。