要求水準の厳しい5Gを活用、多様なローカルサービスを実現する

LTE通信よりも100倍速い。超高速・大容量化、超低遅延、多数同時接続といった特長を有する第5世代移動通信規格(5G)は、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」との相乗効果が期待される、産業および社会インフラ分野に地理的制約を超えた革新をもたらす。

5G時代には、多様なユーザ嗜好の反映や、ローカル5G(参考資料:総務省PDF)ごとの様々なサービスの導入が想定されている。一方で、5Gのコアネットワーク(5GC)を構築する際、eMBB(高速・大容量)、mMTC(同時多接続)、URLLC(低遅延、高信頼)すなわち複数の厳しい条件への対応が要求されるという。

NECはSA(独立)型5GCを開発し、新規5G通信事業者やローカル5G導入企業向けに提供開始した。同5GCを採用した通信事業者には、一定条件下でソースコードを開示しセキュリティ面での透明性を確保する。ネットワーク構築にかかるコスト削減やモバイルネットワーク運用を支援するため、パブリッククラウド上で同社が5GCを運用するサービスも提供するという。

同社の5GCでは、3GPP標準に基づいてネットワーク制御(C-Plane)とユーザデータ処理(U-Plane)を分離するCUPSに対応しているため、C-Planeをクラウドに集約できる。ローカル5GなどでC-Plane設備が不要になり、導入・運用時の負担を大幅に軽減可能となる。コンテナ技術の採用により、C-Plane機能をマイクロサービス化。スケーラビリティに優れた多様なサービスを迅速に実現すると同時に、5Gの厳しい要件にも応じられる。

多様なトラフィックに対応する仮想モバイルコアを7月に発表した同社が今回提供する5GCは、SA型のため、5Gネットワークの新規導入に最適だという。NECは、人・モノが生み出すデータを産業の枠を超え賢くつなぐ 「スマートコネクティビティ」を加速していく構えだ。