複数ロボットをPC等でまとめて管理、ファクトリを効率化

スマートファクトリが話題となる。産業用ロボットのユーザーは、多数のロボットを個別に監視し、各々にプログラム設定等をすることに疑問を感じている。現場のロボット群の定期的なバックアップやメンテナンス作業は煩雑で工数がかかり、トラブル発生時には、復旧までに時間や手間を要している。

そこで、シミュレーター機能を用いた装置設計の効率化への貢献や、自社製ロボットと統合された力覚センサーや画像処理センサーによる装置立ち上げ時間の短縮など、顧客が複雑なアプリケーションをより簡単に実現できる環境づくりへの貢献に注力してきたという。セイコーエプソンは、製造ラインにおいて複数のエプソン製ロボットを、PCやタブレット端末で一括管理できる「ロボット管理システム」を開発した。

エプソン製ロボットを用いてものづくりをする顧客の工場運営やロボット保守作業の効率化を実現する。同システムでは、ネットワーク(イントラネット)接続されたPCやタブレット端末で工場内の産業用ロボットの集中監視とロボットの状態バックアップの取得、ファームウェア更新、動作プログラムの更新などを一括で行える。顧客は、冒頭に述べたような従来課題を解決し、現場作業の効率化を図ることが可能になるという。

同社は今後、上記ロボット管理システムに加え、IoT(モノのインターネット)の業界標準プロトコルOPC-UAへの準拠、AI(人工知能)を用いたロボット動作の効率化や故障予知システムなど、よりスマートなものづくり、工場運営をサポートするための開発、ソリューション提供を行っていく。

手始めに「2019国際ロボット展」のエプソンブースにて今月18日~21日、「ロボット監視システムによるブース内ロボットの稼働状況の表示」、「AIによる力覚センサーを用いたアプリケーションの機械学習による効率化」、「OPC-UAプロトコル対応に向けたコンセプト」を披露するという。