車両のセキュリティオペレーション技術を実験環境で検証する

あらゆるモノがネットにつながる「IoT」時代を迎えた。世界では近年、オートモービル市場においても「コネクティッドカー」が急速に普及するなど、ICT(情報通信技術)を活用した新しい自動車技術やサービスが次々に生みだされている。

その一方で、インターネットに接続されたIT(情報技術)機器を踏み台にして恐喝や資産の窃取などをするサイバー攻撃は、日々高度化・巧妙化していて、まだ防御力の弱いIoT機器を新たなターゲットとしている。社会に広がるコネクティッドカーも例外ではなく、ネットにつながるクルマを見守り、早期に攻撃を検知・解析し、状況に応じた適切な対応をするためのセキュリティ技術が求められているという。

デンソーNTT Comは、車両をセキュリティ面で見守る「車両向けセキュリティオペレーションセンター(SOC)」を実現する技術の実用化を目指し、実験環境での車両SOC技術の検証を来年1月に開始する。従来開発してきたテクノロジにおいて、実験車に多種多様なサイバー攻撃を実施し、実験用車両SOCによるサイバー攻撃の検知や影響範囲の分析など、多様な事象への対応シミュレーションを繰り返すことで、さらなる技術向上を図る。

デンソーは同社が保有する車載システム、車両サイバーセキュリティ、コネクティッドカー、MaaS開発などで培った情報セキュリティ・通信・データ解析などに関する技術を担当する。一方、NTT Comは、ネットワーク、クラウド、マネージドセキュリティ(ITセキュリティオペレーションセンターなど)に関する技術を担当する。

さらに、NTTセキュリティの分析技術、NTTセキュアプラットフォーム研究所の研究成果など、NTTグループの最新セキュリティ技術も最大限に活用するという。両社は今後、車両SOC技術の技術検証を通じて技術開発を加速し、より安心・安全なモビリティ社会の実現に貢献していく構えだ。