共にAGVを開発、変化が著しい物流現場の作業を省力化

労働力不足が深刻化し、働き方改革が問われている。日本の物流現場では、人力で重量物・大容量貨物を移動できるロールボックスパレット(キャスタ付かご車)が使われている。利便性の高いそれは機器の性質上、重心が高くなることもあり、移動時に転倒の恐れがある。

ロールボックスを全国の各拠点で使用していて、重量がある場合は2名以上での荷役を推奨するなどし、災害防止等の安全対策に努めている。作業の大部分が人力による。荷役の現場を、機械等により省人・省力化することは喫緊の課題だが、物流ターミナル等においては、時間帯・曜日・季節によってハンドリングする荷量が著しく変動し、頻繁に動線が変わることから、無人搬送機の採用が困難であったという。

日本通運は、労働力不足をはじめとする物流現場の課題解消に向けた取り組みとして、同社が開発をサポートした搬送支援AGV(トピー工業製リモート積収クローラー。紹介動画:YouTube)を導入する。従来、積収クローラーの持つロールボックス積載機能、不整地踏破能力、登坂能力に注目し、物流現場の課題解決に向けて研究を進めてきた。

変動要素の多い現場実態を考慮し、作業環境への柔軟な対応が可能なリモコン操作による運用を主体として、トピー工業及び日通商事協力のもと、実証を重ねてきたという。今回導入するAGVは、操作者1名で自在にできる。本体重量130kgで小回りが利き、狭いスペースでもロールボックスの整列が可能。腕力のない人でもトラックへの積み込み等を楽にする。最大積載重量500kgで、15mmの段差昇降ができる。

ロールボックス近くにいる必要がなく、スタッフの安全が確保される。経路上の人や荷物等を検知して自動停止する。AGVを「2019国際ロボット展」トピー工業ブースで披露する予定だという。日通は、積収クローラーのさらなる機能向上に協力し、定型作業の無人化なども研究していく構えだ。