異なるタイプのAGVなど複数台の自律型ロボットをまとめて制御

省力化により生産性を上げたり、省人化によって人手不足等に対応したり、近年、工場や倉庫などではそれらの取り組みが重要になっている。さまざまな現場にAGV(無人搬送車)などの自律移動ロボットが導入され、およそ作業効率の改善が進んでいるようにみえる。

けれども、自律移動ロボットは、人やモノが煩雑に動き回りレイアウトが動的に変化する現場や、物流量の変動により時々刻々と業務状況が変化する現場では、柔軟な対応が難しいために人が期待するほどの力を発揮できない。ロボットを使う側は、思い通りの導入効果が得られないほかにも、業務内容に合わせて複数台・複数タイプの自律移動ロボットを運用するのに煩雑な管理が必要になる課題があったという。

NECは、複数台・複数タイプのAGVなどの自律移動ロボットを集中的に管理・制御可能な管制ソフトウェア「NEC マルチロボットコントローラ」を来年2月に発売する。この製品は、ロボットの走行経路を算出するNEC独自の機能をはじめ、多種多様な自律移動ロボットを集中制御できる機能を有している。種類や用途の異なる自律移動ロボットを同じシステム上で集中制御でき、ロボットによる搬送業務の効率化や安全な運用を実現するという。

現場で利用される無線通信を安定化する技術や、現場に配備するデバイスやロボットなどの乗っ取り・なりすましを防ぐIoTセキュリティ製品との組み合わせにより、システム全体に高い堅牢性が実現される。上記製品に対応する自律移動ロボットの第一弾として、不整地などでの高い走破性を誇るトピー工業クローラタイプ走行ロボットへの採用が決定。2月より提供される新たな仕組みは「2019国際ロボット展」トピー工業ブースで披露される。

NECは今後、同製品について、AGV以外にも自動フォークリフトや点検・警備ロボットなど様々な自律移動ロボットへの対応を進め、ラインナップを強化していく構えだ。