バイタルと空間のデータから各人の集中度をはかり照明制御

あらゆるモノがネットにつながる「IoT」時代に突入した。昨今先端技術を活用した超スマート社会をめざす日本では、「働き方改革」に代表される働く人々の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会において、イノベーションによる生産性の向上が求められているという。

KDDIThink Lab東芝ライテックは、生産性向上に向けて、先端のテクノロジーで、個人の集中度を可視化し、最適化された空間の創出をめざす。未来のオフィス空間の創出を目的とし、バイタルデータと空間データに基づき個人の集中度に応じた照明制御をおこなう共同実証実験を来年1月6日に開始する。これに先立ち、室内を均一に照らす照明環境と一般的に集中度を高めるとされる局所的な照明環境で、東芝ライテック従業員が眼鏡型ウェアラブルデバイスJINS MEMEジンズ社製)を着用して通常の業務を行い、集中度への影響を調査した。

予備実験において、集中できる照明環境は個人や作業形態によって異なるため、個人の集中度に応じた照明制御が必要であることがわかったという。結果を踏まえ、本実証実験では、JINS MEMEで計測する「瞬き」「視線移動」「姿勢」から得られる集中度などのバイタルデータと、オフィスの「温湿度」「二酸化炭素」などの空間データを、東芝ライテックの照明器具に接続したKDDIのIoTゲートウェイで収集、クラウドでデータを解析し、オフィス照明の光色や明るさを集中度に応じて個別に制御する。

3社は、今回の実証実験で得られる知見を活かし、個人の集中に最適な集中照明制御アルゴリズムを機械学習させ、汎用性を高めることで「人を中心に考えた照明」であるHuman Centric Lighting(参照:日本照明工業会「人にやさしい、安全で・快適・便利なあかり」)にもとづいた未来のオフィス空間の実現に向け、これからも色々取り組んでいく構えだ。