駅の改札口を通過したり、バスやタクシーを乗り降りしたりする際、多くの人がスマホや交通系ICカードを機械にかざすだけで支払いを済ませている。近年、キャッシュレス決済の普及促進策を背景に、店舗や施設において、現金を持たないスマートな商品・サービス購入が人気となっている。
そのような仕組みを実現しているのはNFC(近距離無線通信)技術であり、NFCタグは薄い小型の紙やシール形状で、店舗や施設にて決済端末など特別な機器を用意しなくてもキャッシュレス決済などのサービス導入を可能とする。一方で、NFC対応スマホのユーザーは、アプリを起動する必要もなく、ただスマホをNFCタグにタッチするだけでサービスを利用できる。
サービス事業者が手軽に導入でき、ユーザーが簡単・便利に使えることから交通、決済を含めた様々な場面での広がりが期待されるという。NFCタグの活用に向けて、JR東日本、アクアビットスパイラルズ、ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ、DNPは共同で技術検証を行うことに合意した。
NFCの更なる可能性に着目し、交通や決済を軸に、タッチするだけで様々なサービスを利用できる場を拡大し、既存のタッチするサービスとも組み合わせてシームレスに体験をつないでいくことを目指すという。4社による技術検証は、NFCタグにスマホをタッチするだけで、チケットの確認や支払いなどができる利用シーンを想定している。
スマホのNFC機能の一つである「リーダー/ライターモード」によって、NFCタグ内の情報を読み取る技術を活用する。たとえば電車でスタジアムに行き、レストランへ移動して食事をし、電車で帰宅するシナリオにおいて、今回、「NFCタグにタッチ」すればサービスサイトが開き、スタジアムの席からドリンクを購入し、タクシー配車でレストランへ移動し、レストランのテーブルで注文や会計が行えるしくみを検証するという。