国内初!新型水素液化機の商用化に向けて

経済及び社会を発展させながら地球の温暖化を止める。究極の二次エネルギー源として「水素」に寄せる期待が高まっている。エンジン等で燃焼してもH2Oしか発生しない水素エネルギーは、広く社会・産業基盤で活用されるべきだろう。液化水素でロケットを飛ばすだけではもったいない。

ゆえに資源エネルギー庁は「ようこそ!水素社会へ」として、様々な取り組みを紹介している。そして今月5日、川崎重工は、国内メーカー初となる商用化に向けた新型水素液化機による実証試験を播磨工場で開始した。新たに開発した水素液化機は、従来機より液化効率を約20%向上し、業界最高クラスの性能を達成した。水素プロジェクトを推進する、新型機を組み込んだ液化システムの実証試験は来年5月まで行われる。

連続運転を実施し、商用機としての性能を確認後、営業活動を開始する。新型水素液化機も、圧縮した原料の水素ガスを冷凍サイクルで冷やされた水素と液化機内で熱交換しながら冷却することで、1日あたり約5トンの液化水素を生産する能力を有する。液化工程の改良や効率化に寄与する設計見直しによって、上記効率アップとともに本体重量30%減のコストダウンを実現したという。

同社は、新型機をもとに、約25トン/日の液化システムまでラインアップを整えていく計画だ。種子島宇宙センターで国内最大の液化水素貯蔵タンクを建設来30年以上にわたるその運用実績や、LNG船・貯蔵基地などの建造・建設で積み上げてきた技術を強みに、水素の液化・輸送・貯蔵などトータルパッケージでの提案を行っていく。

水素社会の実現に向けて、液化水素運搬船や大型液化水素貯蔵タンク、水素燃料100%の発電ガスタービンなど、サプライチェーンを貫く技術開発、商用化を進めていく。国連SDGsの観点からも水素エネルギーの普及を目指し、脱CO2推進――。世界の人々の豊かな生活と地球環境の未来に貢献していく構えだ。