アメリカンフットボールの試合映像、5Gでリアルタイム伝送に成功

2時間の映画を3秒でダウンロードできるほどの"超高性能・大容量"と、遠隔医療や自動運転、産業ロボット等に必須の"超低遅延"と、次世代IoTやコネクテッドカーなどの展開を支える"多数同時接続"といった特長を備えた第5世代移動通信規格(5G)の商用サービスが始まる。

来年に5Gサービスが本格化する日本に先んじて、米国では大手通信事業者Verizonが今年4月、ミネアポリスとシカゴでスマホ向け5Gサービスを始めた。5Gのサービスエリアと適用業務は順次拡大しているであろう――。12月6日、ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズソニーモバイルコミュニケーションズ、Verizonは、米国テレビ放送局NBC Sportsとともに、スポーツライブ映像のリアルタイムかつ高画質伝送に成功したと発表。

5Gを用いた、スポーツライブ映像撮影および制作に関する実証実験において、今回、12月1日(現地時間)に開催されたアメリカンフットボールの試合(テキサンズvs.ペイトリオッツ@ヒューストンNRGスタジアム)をカメラマンが「PXW-Z450」で撮影した。映像をトランスミッター試作機でエンコードして最適形に制御しながらXperia 5Gミリ波帯対応デバイスを通じて5Gネットワークに伝送し、スタジアム内編集室にストリーミング配信した。

実験成功には、Verizonの「5G Ultra Wideband」と、ソニーの5G対応デバイスや映像技術ノウハウが寄与している。5Gによるシステムの無線化によって、試合開催地を問わずにできるリモートプロダクションに加え、位置やアングル自由度の高いカメラセッティング、カメラシステムのセットアップ時間やコストの削減など、スポーツライブ映像制作の可能性を示したという。

ソニーとVerizonは今後も、5Gを用いてさらに柔軟なスポーツ映像制作のワークフローを追求していく構えだ。