物流施設のテナントにデータ駆動型の信用保証サービス

近年、事業実態をデジタル情報で把握して審査・融資を行うサービスが増えている。Eコマース(EC、電子商取引)ビジネス界においては、出店者向け融資や、クラウド会計ソフトを通じて得られる経理情報を基にした融資等が、成長分野として注目されているという。

大和ハウス工業アッカイー・ギャランティは4日、物流施設の入居者の利便性を向上させる新たなサービスの提供を目指し、業務提携契約を締結した。翌日、大和ハウスグループのアッカが手掛けるフルフィルメントサポート事業を利用中の物流施設テナントを対象に、特定の金融機関の融資等を実行する新たな「保証サービス」の提供を開始した。

アッカは、ECデータ一元管理システム「ALIS」の運用を通じて、販売可能な在庫を一元化し、複数の販売チャネル(ECや実店舗)と連携することで、テナントの在庫の消化率向上及び売上拡大をサポートしている。また、イー・ギャランティは企業間取引で発生する様々な信用リスクを保証という形で引受け、倒産等による債務不履行の際の保証を行うことで、企業間取引における信用リスクを回避するサービスを提供している。

そして、次世代物流施設の構築に向けた事業を展開している大和ハウス工業とともに、アッカが収集したデータをイー・ギャランティが分析・解析し債務不履行の保証をすることにより、従来の金融システムとは異なるアプローチで物流施設テナントに信用を供与。この取り組み即ち3社協同の「保証サービス」により、テナント企業は事業性資金(運転資金)を無担保・無保証人にて金融機関から低金利で借入れられるという。

融資期間は1年。利用条件は「ALIS」を6ヶ月以上使い、以後も使うことであり、即座に仮審査結果を回答するという。3社は今後、マルチテナントセンターのアパレル関連企業や、アッカのフルフィルメントサポートを新規導入する顧客への「保証サービス」も行っていく構えだ。