リカレント教育の発展をブロックチェーンによるデジタル証明書で加速

人生100年時代。さまざまな就学・学習・就労形態が出現するであろうなか、大学はいま、学びの幅を増やす他の学部・学校との連携講座や、遠隔講座の充実が必要で、それと同時に、社会人講座の開設をはじめとしたリカレント教育の取り組み拡大が求められている。

リカレント教育(解説:文科省Web)の発展と18歳人口の減少を見据えた大学統廃合が進むと想定される。現在、「紙/印影等による学位証明」の継続性が課題だという。室蘭工業大学NTT西日本は、社会における人材の流動化をも見据え、真正性を担保するブロックチェーン技術等で「本人の意思によるデジタル証明書の開示/非開示の選択と自由な発行」を実現する共同研究を始めた。

前者はイノベーション創出につながる研究・地域活性化拠点としての役割を果たすべく、オープンなAIラボ等を稼働させ、改ざんが困難で暗号資産や知財・契約管理にも使われているブロックチェーン(分散型台帳)の高度な知見を形成してきた。一方、後者は「ソーシャルICTパイオニア」として、学内発行する各種証明書をコンビニエンスストアでも取得可能とする「証明書発行サービス」を展開してきた。

そして先月1日、「多くの人が学び直しにより様々なキャリアを積み重ねられるよう、GDPR(EU一般データ保護規則)に準拠した、個人の学位や学歴等を明確に証明していく仕組み作り」、「紙の証明書の代替として、場所を問わず発行可能な国際標準の学位証明への対応」、「大学の運営形態に左右されず、希望者の求めに応じ単位や学位を客観的に証明可能な仕組み作り」で合意したという。

ブロックチェーン技術等における学術的知見、「証明書発行サービス」で得た運用ノウハウをそれぞれ提供する。両者は共同して、より多くの大学・企業等の参加を募り、対象を職歴(デジタル履歴書)にも拡大し、人生100年時代に呼応する、新しい自己証明基盤の実現をめざしていく。