生産年齢人口の減少が進むこの国では、流通小売業においても人手不足が深刻である。店舗におけるレジ業務を省人化ないし無人化するシステムが研究され、その成果を実証する動きが公になることも増えてきた。
無人レジでは、各種センサー、カメラ（画像認識AI）で商品を自動認識――。消費者がストレスフリーな購買を体験できる。が、商品の自動認識をAIで行う際、一般的には、予め当該商品をさまざま条件で大量に撮影し、それらの画像をAIに学習させることが必要となる。無人レジの実現にあたっては、それが最大の課題になるという。
東芝テックとNTT Comは、NTTグループのAI技術corevo®のひとつ「アングルフリー物体検索技術」を活用した、画像認識型無人レジシステムの運用自動化に向けた実証実験を「オーバルコート大崎マークイースト事業所内売店」（ティー・ティー・ビジネスサービス社運営）にて来年1月末日まで実施する。東芝テックがグループ従業員を対象として、新形態POSシステムの受容性・業務効率性・事業性の検証、検証環境の構築を担当。
NTT Comが画像認識機能、追加登録機能の提供、サービスモデル検討、ネットワーク環境の提供を担当する。実験では、カメラ付きの専用台に、複数の商品を並べ、画像認識により一括で商品を特定する。画像情報が無く商品が認識できなかった場合は、利用者が手動でバーコードをスキャンすることにより、画像情報と商品情報をひもづけることができ、次にその商品が購入されたときには画像で商品が認識できるようになる。
ほかには、画像・商品マスターから特定した商品のJANコードを抽出し、二次元コード化する。このコードをスマホで読み取り、一括レジ登録する（商品一つ一つの「バーコードを探す」「バーコードをスキャンする」操作をなくす）。会計は予め紐づけられた従業員番号に従い、給与引き去り決済を行うという。