増税後のデジタル広告出稿量、クレカの伸びが顕著に

10月1日、消費税率が8%から10%にあがった。増税の痛みを緩和して消費の落ち込みを防ぐとともに、他国との比較で利用率が低いといわれている状況を改善しようと、'25年までにそれを40%にすると政府が言い出した。日本の「キャッシュレス決済」比率は今、どのようになっているのだろうか。

キャッシュレス・消費者還元事業(経産省Web)が喧伝されていることもあり、これまで現金主義だった人や店がクレジットカードやスマホ決済を駆使している。11月22日、ビデオリサーチインタラクティブは、今年1月~10月のキャッシュレス決済サービスのデジタル広告出稿状況の集計を発表した。

同社の広告統計サービス「digiads」をもとにまとめたものだという。結果、デジタル広告総出稿量は351億インプレッションと推定。これは、当該サービスが属している「金融・保険・証券」カテゴリー全体の3%。キャッシュレス決済タイプ別では、クレジットカード(クレカ)が261億インプレッションを示し、キャッシュレス決済全体の出稿量の74%を占めているとした。

また、QRコード決済は推定75億インプレッションで21%のシェア、電子マネーは推定15億インプレッションで4%のシェア。いずれもスマートフォンへの出稿がデスクトップへの出稿を上回っていて、特に電子マネーは98%までがスマホへの出稿となっている。決済タイプ別に月間でのデジタル広告出稿量の推移をみると、クレカとQRコード決済は、増税前の9月までの傾向が似ていて、ともに四半期末と増税直前の9月に出稿量の山が来ている。

が、増税後の10月は、クレカが9月を上回る出稿量を示しているのに対し、QRコード決済は時系列での傾向を踏襲した推移を示していて、両タイプで傾向を異にしている。一方、電子マネーは8月がピークであり、7-8月と10月はQRコード決済の出稿量を上回っているという。