少子高齢化などを背景に、働き方改革が推進されている。IT(情報技術)ベースのデジタルトランスフォーメーションが盛んになっている。近ごろ、紙の注文・請求、各種申請書等を扱う業務の自動化において、AI-OCRの活用が注目されている。
AIによる光学式文字読み取り装置では従来、フォーマットごとに書類を分類し、それぞれに応じた読み取り処理の必要があった。その分類には、人手による帳票振り分け、あるいはフォーマットに印字された認識コードを読み取って振り分けるしくみを独自開発しなければならず、この点がAI-OCR活用拡大の課題になっていたという。
TISは今月15日、複数帳票フォーマットをAIで自動振り分けする「帳票振り分けAIサービス」の提供を開始した。同サービスは、AI-OCRによる読み取りの効果を最大限にする。帳票の振り分けを自動化するものであり、帳票識別の際に要した認識コードの付与などが省ける。独自アルゴリズムにより高精度な帳票振り分けを行う、デジタルトランスフォーメーションを支援するしくみだ。
導入期間は3日程度。オンプレミスでもクラウドでも、利用環境は顧客次第。注文書や有価証券報告書などのOCRプロジェクトで培ったTISの画像処理技術を生かし、帳票のレイアウトに基づいた振り分けを高精度にする。同サービスは、サンプル帳票を1枚アップロードするだけで振り分けが可能となる。フォーマットの特徴を高度な画像処理技術で自動抽出し、マッチングを行う。FAX画像のようにノイズや歪みがあっても適切に振り分けられる。
AI-OCRとRPA (ソフトウェアロボット)製品を組み合わせた自動化シナリオにも対応可能で、FAXサーバに届いた帳票を印刷することなく直接PDFで出力し、「帳票振り分けAIサービス」で振り分けて、AI-OCRをRPAにつなぐことで、真のペーパーレス化、自動化が実現されるという。