ICTで営農支援、次世代農業プラットフォームサービスはじまる

農業・農村は食料供給の役割に加え、国土の保全や自然環境の保全、良好な景観形成など様々な役割を持っている。が、日本において、農業の就業人口は減少傾向に歯止めがかからず、後継者難が続き高齢化が進展、担い手が不足している。

また、耕作放棄地が増加し、生産農業所得が低下している状況にあり、農業・農村の持続性確保が懸念されている。そのため、農業のICT(情報通信技術)化によって、生産の効率化・高付加価値化・省力化・低コスト化、経営や業務運営の効率化・高度化、暗黙知・ノウハウ等の見える化・知財化などを実現すると農水省の平成27年資料(PDF)にあり、同省の「スマート農業」Webサイトでは現在、様々な情報が得られる。

今月7日、NTTドコモは、圃場や作物の栽培状況などを手軽に管理することができ、土耕だけでなく水耕栽培や水産にも対応した営農支援プラットフォーム「畑アシスト™」サービスの提供を開始した。他言語に対応し圃場を可視化する、同サービスでは、圃場に設置したセンサから取得したデータを、アクセスポイントを経由してドコモのクラウドに収集し、スマホやタブレット、パソコンで手軽に確認・管理できる。

センサは約15種類――土耕だけではなく水耕栽培や水産にも対応しているので、気温や湿度から、土壌や作物の葉面温度、水産場の水質pHや水位など、状況や要望に応じてさまざまなデータを取得できる。近年注目されている次世代水耕栽培にも、同サービスは導入可能。センサからアクセスポイントまでの通信は低消費電力・広域無線ネットワークの「ZETA」(ZiFiSense社製)を用いている。

日々の作業記録や今後の計画なども併せて管理できるため、農作業に関する各種管理コストが効率化され、ユーザーはより生産性の高い戦略的な営農を実現できるという。同サービスを活用して、鯉淵学園農業栄養専門学校は同日に、次世代水耕栽培を始めた。