情報通信
災害時、ヘリコプターが携帯電話基地局に
近ごろ日本は大災害続きである――。被災した人たちや、救助救援に駆けつける人たちにとって、「ケータイがつながる」ことは心理的に支えとなるだけでなく、様々な活動を有効かつ円滑にするためにも、とても重要になっている。
そこで、KDDI、KDDI総合研究所、新潟県魚沼市、富士通は、災害時における携帯電話の利用が困難なエリアでの通信手段確保と迅速な救助活動に貢献することを目的として、魚沼市銀山平にて、国内で初めて(KDDI調べ)、小型携帯電話基地局を搭載したヘリコプター (ヘリコプター基地局) を用いて通信エリア外にある携帯電話の位置推定とヘリ基地局によりエリア化された範囲内での通話やSMSを行う実証実験を実施し、成功した。
同実証実験は、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム (SIP) 第2期「国家レジリエンス (防災・減災) の強化」 (防災科研)プロジェクトのもと、10月23日~11月6日に行われた。ヘリコプター基地局は、上空から電波を発射し、携帯電話エリア外の一部をエリア化するものであり、災害時に陸上や海上から携帯電話サービスの提供が困難な状況においても、上空からの電波によりエリア化された範囲内で一時的に携帯電話による通信を実現する。
さらに、ヘリコプター基地局の移動管理機能により、携帯電話から発信される電波を補捉することでヘリコプター基地局がカバーするエリア内の携帯電話の在圏状況や位置推定が可能になる。これにより、災害時において被災者の特定が困難な状況であっても、携帯電話の位置推定と、それをもとにした通信エリアの構築ができ、国や自治体からの救助要請などに迅速に対応することが可能になるという。
KDDIとKDDI総合研究所は、今回の実証実験で得られた知見をもとに、国や自治体と連携しながら災害時における救助活動への、ヘリコプター基地局の活用を目指していく構えだ。