自動運転社会を具現化する、次世代通信のユースケースを共同研究

つながるクルマ(コネクテッドカー)の実用化が進む昨今、日本でも、第5世代移動通信システム(5G)の商用サービス開始を目前に控えて、道路交通の安全性や輸送効率、快適性を高める自動運転技術の開発が一層加速している。

世界一安全で円滑な道路交通社会をめざす「官民ITS構想・ロードマップ2019」(官邸PDF資料)を紐解くまでもなく、「自動運転社会の到来」は、世相および先進テクノロジに敏感な多くの人たちが、肌で感じ始めている。そして実際、SUBARUは、2030年に死亡交通事故ゼロとなるよう、独自の「総合安全」思想の下、これまで培ってきた先進安全技術をさらに進化させるために、「つながる技術」の研究開発にも取り組んでいる。

総合安全技術「アイサイト」を進化させ続けている同社と、ソフトバンクは今月7日、自動運転社会の実現に向けて、5GおよびセルラーV2X通信システム(C-V2X)を活用したユースケースの共同研究を開始した。SUBARUと協働するソフトバンクは、新たな体験や価値を提供するサービス・ソリューションの研究開発に取り組んでいて、MaaS事業の検討や5Gなどの最先端通信を活用したコネクテッドカーの実証実験も、その一環だという。

両社は今後共同研究を進めて、今冬からスバル研究実験センター美深試験場(北海道中川郡美深町)のテストコースに、ソフトバンクの「おでかけ5G」(局地的に電波品質の高い5Gを提供できる可搬型設備)を設置し、ノンスタンドアローン標準仕様(LTEとの連携により5Gの性能・機能を素早く実現する方法)の5Gネットワーク環境、および国際標準規格団体3GPPが定めるC-V2Xの通信環境を構築して、実証実験を行う。

今回の実証実験では、基地局と車両および車両と車両間で通信を行い、安全運転支援や自動運転制御に関わるさまざまなユースケースを想定した技術検証を行う予定だという。