AIの推測に介入、施策効果を数値シミュレーションする

機械学習をベースにした人工知能(AI)の活用が産業、医療、高度な社会基盤の実現に至るまで、様々な分野・領域で進みつつある。従業員満足度アップ等に用いる通常の機械学習では、事実に基づいて未来の結果を予測する。

が、施策によって結果に変化が生じる際に、複雑な項目間の因果関係を把握する必要があるため、予測は困難であることがわかっている。そこでソニーCSLが独自開発したAI技術による要因分析サービス「CALC(カルク)」は、項目間の因果関係を推定できることから、重要な要因に改善策を打った場合、結果にどのような影響が生じるかを、複雑な関係性を加味して定量的に予測できるという。

ISID、ソニーCSLおよびクウジットは11月6日、3社が共同で事業展開する同サービスに新機能を搭載した「CALC 3.0」を提供開始。従来の解析手法では推定が難しいデータ内関係因子における直接的な要因・原因を抽出することが可能な同サービスの最新版では、CALCで推測された要因に、対策を打つ(介入する)場合、結果がどう変わるかをシミュレーションする機能を搭載している。

新機能により、施策の検討段階において、打ち手による結果の改善度合いを検証できるなど、効果的・効率的な意思決定が可能となるという。CALC3.0には、擬似相関や間接的関係性の分析機能、API化によるシステム組み込み、連携機能 ・解析効率化を支援するUIといった機能も追加されている。

これまでにも3つの里程標(ニュースリリース:'17年5月、'18年10月、'19年10月)を打ち立ててきた。CALCの最新版(Ver. 3.0)は今月27日に「AIプラットフォーム構築セミナー」(ISID東京会場)にて披露され、3社は今後、CALCのさらなる機能拡充を図り、幅広い領域でAIの実務適用を加速させることにより、顧客企業や社会の課題解決に貢献していく構えだ。