ものづくり現場のIoTアプリ、設備と人の可視化分析で生産性アップ

生産年齢人口が減少していて、政府が「働き方改革」の旗を振っている。日本において、働き手と働く時間の縮小が深刻化する中、業務の効率化や自動化を実現するためにAI、IoT、RPA(ソフトウェアロボット)など、最新IT(情報技術)への関心が急速に高まっている。

それらの技術を活用し、業務の自動化や付加価値の高い業務への人材のシフトなど、ものづくり現場の生産性向上を実現する。それは企業にとって重要な課題であり、製造業の顧客を中心に「現場の多種大量のデータにAI・IoT技術を適用し、生産性や品質向上を実現したい」とのニーズが増えているという。日立ソリューションズ東日本は16日、生産性向上IoT/データ分析ソリューション「WellLine」の提供を開始した。

「WellLine」は、IoTおよび同社のデータ分析ノウハウを活用したアプリケーションで、多様な設備の稼働ステータス(運転/停止/障害・エラー等、顧客の運用に合わせて設定可能)を無線通信にて簡単に収集できる。無線センサー内蔵「サイコロ型デバイス」を使用して、設備の周辺で行われている人の作業情報を収集し、同様のセンサーを携帯タグとして作業者が持ち歩くことで、フロア中のどの区画に滞在していたかの履歴も集められる。

収集した全データはその都度クラウドのデータベースに送信・格納し、即座にアンドンや分析画面、人・設備チャートで見られるという。IoTアプリは、製造設備の稼働・生産・状態の各データだけでなく、作業員ら人の行動を含めたデータを収集する。設備と人の稼動情報をあわせて可視化・分析する。これによりユーザは、非生産・ロス時間を認識し、生産性低下の要因を発見――。

これを日頃の改善活動に用いれば、分析のスペシャリストでなくても、現場で発生したデータを生産性アップに繋げられるという。「WellLine」は今後3年間で5億円の販売が見込まれている。