骨格の動きを可視化し自動分析、生産現場の能率アップへ

働き方改革や生産性向上が叫ばれる、日本で「能率」をいうことはまれになった。それは一定時間に仕上がる事の割合、事の進捗度、作業量の効率のことであり、19世紀初めには工場で最も能率的な作業方法や標準作業時間を求めるスタディがなされていた。

働き方改革や生産性向上が叫ばれる、日本で「能率」をいうことはまれになった。それは一定時間に仕上がる事の割合、事の進捗度、作業量の効率のことであり、19世紀初めには工場で最も能率的な作業方法や標準作業時間を求めるスタディがなされていた。

作業は動作の集まりである。つまり動作を改善することが、作業の能率を高め作業者の疲労を軽減するとして、時間研究とともに、「動作研究」(設備や作業動作の分析により、作業が合理的に能率よくできるようにする研究。日本国語大辞典より)が、計時器を片手に、商用ITシステムもAI(人工知能)もない時代に行われていた。

そして21世紀、デジタル変革を求めデータ駆動型社会を迎えようとしている今月9日、三菱電機は、同社のAI技術「Maisart®」を用いて、カメラ映像から人の骨格情報を抽出・分析し、特定の動作を自動検出する作業分析ソリューション「骨紋®」を発表した。生産現場の作業者の動きを撮影するだけで作業内容を認識・特定し、作業時間や作業ミス・無駄を自動検出――作業分析を効率化し、現場の生産性向上に貢献するという。

骨紋は、カメラ映像から抽出した2次元の骨格情報をAIで分析し、作業内容を90%の精度で特定。特定結果から作業時間や作業ミスを自動検出し、監督者による作業分析工数を1/10に削減(数値はいずれも同社工場での検証結果)。作業者にセンサーを付ける必要が無いため、作業者に負荷をかけない作業分析を実現する。

作業者の動きの課題を見える化し、異なる監督者でも標準的な作業改善が可能となる。今回の仕組みでは、動作研究の先駆者ギルブレス氏が提唱した「動作経済の原則」に基づき骨格の動きを分析することにより、目視では見逃しがちな無理・無駄などの体の動きの課題を自動検出して可視化。監督者ごとの経験によって異なる課題抽出レベルを標準化し、属人性を排除した作業改善が可能になるという。