"Beyond2020"、"Society5.0"などが謳われている。この国において、観光や生活における多様な移動の社会課題の解決には、便利で効率的なしくみの提供が必要とされ、サービスとしての移動手段(MaaS)が注目されている。
鉄道やバスなどの異なる移動手段を統合して提供するMaaSは、社会的課題を解決するという。移動の効率化をはじめ7件の「人工知能(AI)の社会実装に向けた研究開発プロジェクト」を進めているNEDOは、NTTドコモ、横浜市とともに「AI運行バス®」の新たな実証実験を今月10日~20日、横浜都心臨海部(みなとみらい21と関内エリア周辺)で実施する。
AI運行バスは昨年10月~12月にも同地区で最大15台(定員4~6人/台)を運用。国内外からの客や地域住民、在勤者ら約3万4000人を輸送した。乗車効率は都心部の路線バスと同等、平均待ち時間は10分程度に抑えられるなど、効率性とサービス性を両立した形でリアルタイム配車予約による運行を実現できた。オンデマンド型乗合交通のニーズが都心部でも高いことを立証した。
総移動時間が3~4割短縮するケースもあり、実証エリア周辺での回遊性向上につながる検証結果も得られたという。そして今回、これらの成果を踏まえ、更なる技術検証とビジネス性検証を進め、AI運行バスの社会実装による利便性向上と地域経済活性化につなげていく。一般利用者がスマホアプリなどを用いて、観光施設やグルメスポット、イベント情報を検索し、検索結果から直接バスを予約して回遊できる。
よりニーズの高いルートで大量輸送可能な定員11人以上/1台の車両も新たに運行し、需要と供給のマッチングをより柔軟に行える配車制御を実現し、車両全体の有効利用による一層の効率化をめざす。車いす利用者にも使ってもらえるよう、様々な場面・機能におけるユニバーサルデザインに関する検証も実施するという。