超スマート社会を実現する「ソサエティ5.0」でもその活用が重要視されている。小型無人機ドローンは、物流や社会インフラ・生産設備点検のほか、災害復旧、救助支援での活躍も期待されていて、同一空域で多数飛行可能なしくみの開発が急がれている。
複数事業者のドローンが安全に飛行するための運航管理システム開発・実証試験などを行うプロジェクトを進めていて、将来的には国際標準への提案を見据え、あらゆるドローン事業者が安心・安全にドローンを運航できる社会を目指しているという。NEDOは今月3日、NEC、NTTデータ、日立製作所は、福島県、南相馬市、福島イノベーション・コースト構想推進機構の協力のもと、同システムの相互接続試験環境を構築したと発表。
先に発表した「同一空域・複数ドローン事業者のための運航管理システムを実証」に続いて今回、「福島ロボットテストフィールド」(福島県南相馬市・浪江町)において、同テストフィールドの総合管制室に、複数のドローン事業者が情報共有するための運航管理統合機能のサーバーを設置、稼働させたほか、公開済みの運航管理システムAPI(専用Web)に関する利用規約の整備などを行った。
運航管理システムでは、ドローン事業者が運用する「運航管理機能」が、「運航管理統合機能」に接続することで、ドローンの飛行計画やリアルタイムの飛行状況、飛行禁止空域など空域の安全に関する情報を、他のドローン事業者と共有する、サービス利用が可能となった――。NEDOプロジェクトに参画していないドローン事業者でも、APIを介して上記サーバーに接続することにより、運航管理システムとの相互接続試験ができるという。
NEDO、NEC、NTTデータ、日立製作所は、来年2月まで当該サーバーを稼働し、100フライト/時間・平方kmのドローンを飛行させる相互接続試験などを行い、運航管理システムの機能検証を実施する予定だ。