「スマホで自撮り、顔の情報つかって銀行口座を簡単に開設する」

IT(情報技術)の浸透が世間をより良い方向に転換していくという。デジタルトランスフォーメーションは近年、スマホの普及などを背景に一層加速している。消費者の利便性が高まり、無国境化が進む一方で、資金洗浄/テロ資金供与リスクが増している。

そのため日本では「改正犯罪収益移転防止法」(概説:警察庁JAFIC)に準拠し、さまざまなサービスでこれに対応したしくみの構築と展開が求められている。9月27日、じぶん銀行は、NECの金融機関向け本人確認サービス「Digital KYC」を採用し、生体情報(顔情報)による口座開設機能を搭載したじぶん銀行スマホアプリをリリースした。

同アプリを利用して、顧客が自分の顔と本人確認書類(運転免許証)を撮影する。これにより、口座開設の申込みからキャッシュカード発送までの期間を最短3営業日に短縮。手続きを簡単かつ迅速に実現するという。同行は将来「Digital KYC」を一層活用し、キャッシュカード到着以前の口座利用開始、顔認証で振込や残高照会等ができるサービスの提供を目指している。

NECの「Digital KYC」は、金融機関やFinTech事業者向けに、利用者の口座開設や住所変更時に必要となる本人確認をオンラインでセキュアに実現するものであり、じぶん銀行は、改正犯罪収益移転防止法に対応したソフトウェア開発キット「Digital KYC SDK」をアプリに搭載。同キットには、世界No.1精度の顔認証AIエンジン「NeoFace」と、なりすまし防止技術が包含されている。

今回のアプリリリースにより、本人以外の不正利用のリスクを低減する。同行は、auフィナンシャルグループの「スマートマネー構想」を推進。今後もスマホを軸にした金融サービスを提供し、"お客さまに一番身近に感じてもらえる銀行"として、顧客やパートナー企業とともに新しい体験価値を創造していくという。