"電子納税"に対応、マルチな納付情報データを基幹税務システムへ

'08年3月に始まった電子納税サービスは個々の団体が単独対応――。マルチペイメントネットワークの導入や基幹系システムの改修コスト、事務の見直しなどがネックとなり、そのサービス実施は全国22団体にとどまっていた。これまでの状況が今年10月1日に変わる。

地方税共同機構が「地方税共通納税システム」を構築、全国共通の電子納税の基盤を整備。これを介してすべての団体で電子納税可能となる。納税者・地方公共団体ともに事務負担の大幅な削減が期待されている。たとえば個人住民税の特別徴収では従来、事業者が給料支払時に住民税を徴収し、従業員に代わり各居住市区町村へ毎月納税していたが、10月以降、複数団体への納税が一度の手続きで行えるという。

TKCは、地方公共団体(都道府県・市区町村)向け「TASKクラウド 地方税電子申告データ連携サービス」を機能強化し、9月24日より提供を開始する。これにより、10月1日から自宅やオフィスなどから"いつでも・どこでも"全国の地方公共団体への納付手続きが一度で可能となる「電子納税」(eLTAXポータル)が始まるのを受け、それぞれの団体に届く納付情報データなどを基幹税務システムへ自動連携できるようにする。

上記共同機構の標準システムをクラウドで提供する「地方税電子申告審査サービス」とTKC独自の「地方税電子申告データ連携サービス」の2つで構成されている。同サービスについて、同社は'20年までに700団体への導入を目指している。

これから電子納税サービスの利用が急拡大することを見据え、各種データの照会・集計機能を拡充するとともに関連システムの機能強化も図る。同社の取り組みにより、市区町村では納付情報データなどの入力にかかる手間・コストを削減でき、データの紛失や情報漏えいなどのセキュリティーリスクを低減。さらに集計・照会作業など税務業務の効率化、最適化が見込めるという。