クルマの試乗をより楽しくする、営業スタッフに代わってAIが

よさげなクルマには誰しも「乗ってみたい!」となる。けれど販売店を訪れ、まだ赤の他人を助手席に乗せて、マシンガンのような営業トークを聞きながら運転するのかと思えば、そんな気持ちは萎えてしまう。お客さんを迎え入れる販売店だって、てんてこ舞いの中でも懸命に働いているのだが――。

今月17日、電通電通デジタルは、人工知能の活用を社内外で推進する統括プロジェクト「AI MIRAI」の活動の一環として、自動車販売店での試乗をより楽しく、自動化・効率化するAI試乗ソリューションのサービス提供を開始。同ソリューションは日本語AIの自然対話サービス「Kiku-Hana」とカーナビアプリを組み合わせた独自システムとして開発したという。

両社はナビタイムジャパンとアプリを共同開発し、音声合成にエーアイのAITalk®を使用。トヨタ自動車ネッツトヨタ北九州の協力による実証実験で良好な効果が得られたことを受け、実運用システムとしてこれを仕上げたという。AI試乗ソリューションでは、「お客様の試乗に対する心理的ハードルの軽減」、「試乗と査定の同時進行による業務効率化」、「AIとお客様の試乗に関するやりとりだけをテキストデータ化し、その後の接客に活用」

これまで営業スタッフが同乗して行っていた試乗ルート案内や車のセールスポイント紹介など、試乗中の会話を、車載スマホ中のAIがスタッフに代わり行う。そして、お客さんだけで試乗を楽しんでもらえるようになる。ネッツトヨタ北九州、トヨタカローラ熊本トヨタカローラ鹿児島でも21日以降、本格的にAI試乗サービスを順次開始する。

同ソリューションの展開を全国および他の販売会社に向けても予定している。両社は今後、試乗予約を含めた一連のプロセスの自動化、個客に最適化されたセールスシナリオの提供等により、営業効率の向上やセールストークの平準化、試乗件数の拡大を図っていくという。