「IoT、リアルタイムデータにより熱中症リスクを予見」

地球温暖化が世界中で話題となり問題になっている。近年、その影響だと考えられる異常気象に見舞われることが多い。日本では夏、全国で熱中症の被害が拡大していて、子供を守る学校や施設、建設土木業界などにおいて、熱中症リスクの把握とその対策が強く求められている。

同リスクを把握する指数として厚労省が「WBGT」を推奨し、この暑さ指数を環境省が「熱中症予防情報サイト」で実況している。残暑にも気を抜けない9月3日、豊田通商グループのネクスティエレクトロニクスは、IoT(モノのインターネット)技術を用いて、熱中症リスクの把握・管理を目的とした「熱中症見守りシステム」を新たに開発したと発表。'20年夏頃の本格販売を目指しているという。

WBGTを見える化し、熱中症の危険性を低減する。同システムでは、センサー端末を設置した場所のWBGT値を、遠距離から即座にスマホやタブレットなどで簡単に確認できる。WBGTが一定水準を超えた場合に、警告メールを自動配信することも可能。現場に配置したセンサー端末からホスト端末経由で、測定情報をクラウドへリアルタイムに送信して記録する。

記録データはPCやモバイル機器に送信され、遠距離から現場の状況を把握し、熱中症対策の実施を現場に促せる。端末設置現場では、警報通知メールの自動配信、およびセンサー端末のLEDライト点灯によって、タイムリーに熱中症リスクを認知できる。障害物の影響を受けにくく、安定的に通信ができる通信帯域を使用している。メッシュ型通信により、センサーの設置位置次第で非常に広い範囲をカバーすることも可能だという。

センサー・ホスト端末が単三電池4本で1シーズン稼働する省電力設計となっていて、建設現場、教育・介護施設など、屋内外を問わず様々なシーンで活用できるという。同社はこのしくみに、ログ情報と翌日の天気予報をもとにしたWBGT予測を追加することも検討中だ。