ICタグと多彩な通信方式に対応のモバイルPOS、店舗運営を省力化

消費税率の引き上げ日まで1ヶ月を切った。日本列島では消費者の困惑と、レジスターの買換・設定変更などにかかる小売現場の混乱が連日テレビを騒がせている。以前より、いわゆる「コンビニ」業界における人手不足などの課題が広く知られていて、今回これに拍車をかけた形だ。

チェーンストア向けには、経産省が「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」をしていて、コンビニをはじめとする流通小売店ではICタグの導入検討が進んでいる。が、多くのICタグ読み取り対応POSレジ端末は現在、固定型であるため導入障壁が高い。導入を決めた現場は、本部のPOSシステムと店舗の端末をつなぐネットワーク配線や、レジの設置レイアウトの変更に手間を取られているという。

凸版印刷は、クレジットや電子マネーなど多彩な決済手段に応じられる、エンパシ製の多機能モバイルPOS端末「EM10」を活用して昨年10月来提供しているモバイルPOS・決済サービス「TOPPOS®」について、今月3日、ICタグの一括読み取り機能を追加したサービス「TOPPOS®-UHF」を新開発――これを10月1日より提供すると発表した。

TOPPOS®にUHF帯据置リーダライタを連携した。これにより、複数商品のICタグを一括で読み取り、合計金額を瞬時に表示させることができる。モバイルPOS端末は持ち運びが容易であり、LTE、Wi-Fi、無線・有線LANなど設置環境に合わせて様々な通信方法を選択できる。電源装置と移動式の棚台などを活用すれば、場所を選ばないPOS端末の設置、運用が可能だという。

サプライチェーン全体における効率的な商品管理のニーズに伴い増加しているICタグ付き商品に対応したPOS端末の容易な導入や、無人レジオペレーションでの活用による店舗省人化を実現するという。新サービスは今月11日~13日、「第21回 自動認識総合展」(凸版印刷ブース)にて披露される。