「人が暮らす11の島々を、ドローン物流が結ぶ日に向けて」

「ここは昔、伊勢エビ漁が盛んだった」という、美しい自然に囲まれた赤島では、雨水を貯めて10世帯13人が暮らしている。また、「猫島」として知られ"釣りの聖地"のなかでも指折りの黄島には、水道が整備されていて、25世帯35人が暮らし、商店1軒と民宿2軒がある。

そんな11の有人島と、52の無人島からなる。長崎県五島市は、住民サービスの観点から離島部の利便性向上を目的に、有人島間の次世代物資輸送即ちドローン物流の実現と、さらには雇用の創出を目指す事業を平成30年度から実施。同年度は奈留島と前島間の物流実証において、人口24人の前島に模擬薬と食料品の輸送を試みたという。

令和元年8月29日、同市とANAホールディングスは、自律制御システム研究所(ACSL)NTTドコモプロダクションナップ(NAP)と協力し、福江島~黄島および赤島間にドローンを用いた物流網を構築し、二次離島地域住民の生活利便性を向上するためのドローンによる物流実証(事業受託者:ANAHD)を9月25日~10月4日と'20年1月頃の10日間、計20日間行うことを発表した。

これから五島市無人物流協議会(仮称)を設立し、地域住民、域内の小売業者、医療事業者等と連携体制を構築するという。今回の実証事業では、生活用品、食品、医薬品等の運搬を計画している。市は検証対象となる地域及び関係者との調整等を担い、ANAHDはドローンの運航管理と協議会事務局を担当。ACSLが機体の提供と、NAPと同じく運航サポートを行う。

そしてドコモは飛行用LTEネットワークを提供、docomo sky™の運航支援基盤による上空の電波状況を考慮した運航計画の策定支援もする。5者が協同するこの度の事業は、内閣府地方創生推進交付金による『ドローン産業集積プロジェクト』(官邸PDF資料)における「ドローンi-Landプロジェクト」の一環として実施されるという。