業務用無線×LTE、次世代システムの効果を東京スタジアムで検証

公共性の高い業務を遂行する企業は格段に優れたBCP(事業継続計画)レベルが求められる。大規模災害時でも途絶、輻輳することなく業務を進める必要がある道路・鉄道・電力・ガスなどのインフラ保有社等は、信頼性や耐久性の高い通信を要している。

そこでそのような企業向けに、新たな業務用無線システム技術の開発を進めているという。NECは、9月開催のラグビーワールドカップ2019™日本大会の会場の一つ、東京スタジアムにおいて、大会運営に携わる職員間のコミュニケーション基盤として、国際的に標準化されたLTE技術と従来型業務用無線システムを組み合わせた次世代の業務用無線システムを試験提供する。

今回の無線システムは、同社が長年に渡り培い国内で高いシェアを誇る業務用無線システムと、国際団体プロジェクト3GPPに準拠したLTE方式のネットワークシステムを融合したもので、閉域網で限られた利用者へ、非常時など公衆網が混雑するシーンにおいてもセキュアかつ安定した通信を実現する。従来型の1:1、1:nの無線通話に加え、地図・位置情報・画像・映像・メッセージ等、LTEならではの様々な情報提供・交信ができる。

これまでのシステムではできなかったデータ通信を用いた各種アプリケーションにより、業務の効率化も可能となる。大会期間中の東京スタジアムでは、上記次世代のシステムを試験的に提供し、関係者にグループ通話やPush to Talk(交互音声通話)機能を活用してもらうことで、その実現可能性を検証するという。

「NEC Safer Cities」コンセプトに沿った、この度の取り組みを踏まえ、同社は、ラグビーワールドカップ2019™日本大会の成功に向けて貢献するとともに、今後もイベント運営関係者や自営用無線利用者等のさまざまなニーズに適応した、公共性の高い業務を支えるネットワークシステムの実現に尽くしていく構えだ。