テレビCMでもデータを基に"心を動かす"最適な動画製作を支援

動画配信サイトなどに向けてする、デジタル広告の製作では、事前に高精度な成果予測を立てて効果の最適化を図ることが困難なため、それまでは個別案件ごとにABテストを実施しながら精度を高めていく手法が、一般的に用いられていた。

廉価に大量の広告を制作して試す手法ではブランドを棄損する懸念があり、そうしたリスクへの対応も求められていた。そこで'17年末に、クリエーティブ観点でマスとデジタル媒体向けの動画広告の最適化を実現するサービス「BRAND LIFT CHECKER(BLC)」をリリースした。電通電通デジタルは、データに基づいて動画広告表現のパフォーマンス向上を図るこのサービスの対象を、テレビCMにまで拡大して、今年8月29日より提供する。

BLCは、動画広告の態度変容を予測するシミュレーションツールによって、視聴者の態度変容に効果的な広告表現の「要素」や「組み合わせ」を推奨してくれる「最も人のココロを動かす動画広告の制作サポート」を行うサービスであり、今回、次のような機能を追加したという。

「分析対象をインターネットの動画広告だけでなくテレビCMまで拡大」では、4,000件超のネット動画広告に加えて、新たに2,000件のテレビCMについて表現要素と態度変容の関係を分析。どのような表現要素が態度変容項目に有効なのか、電通のトップクリエーターによる検証を経て、181項目にわたる「要素」とその「組み合わせ」の効果を予測可能とした。

「AI搭載により業種やターゲットのデモグラフィックごとの、より細かい粒度のシミュレーションが可能に」では、AIモデリングを活用して、動画クリエーティブ内の各要素がどのように態度変容へ影響するかシミュレーション。制作動画がどの層のどのKPIをリフトする効果を持っているのかを可視化できる。より高精度な事前予測をベースに、テレビCMのパフォーマンスも検証可能だという。