「全身シャワーの温冷交代浴、スポーツのあとのカラダを回復!」

TOKYO2020効果ばかりではないだろう。近年、健常者および障がい者の間にスポーツへの意識が高まっていて、競技やトレーニング後に特別な施設でする交代浴――温水浴と冷水浴を交互にする疲労回復手段が脚光を浴びている。

競技スポーツの現場で認知・利用されている。交代浴は通常、2つの浴槽への湯はりなどに手間ががかるうえ、浴槽に入るたびに湯水の温度が変動するなどの問題がある。多人数で使用する際には衛生的配慮が必要であったり、浴槽入浴が困難な障がいのある人が使えなかったりといった課題もあるという。パナソニック・ライフソリューションズ社は、全身シャワーによる温冷交代浴が、運動後の身体的疲労を早期に改善することを実証した。

福岡教育大学保健体育ユニット教授と共同で、陸上競技部所属の男子学生8名を対象に行った、日常トレーニング後の筋硬度(筋肉の緊張度や疲労度を示す指標)測定やアンケートなどの結果、複数の吐出口を有し全身同時に浴びるシャワーによる温冷交代浴が、一般的なハンドシャワーによる身体洗浄や全身シャワーによる温水浴に比べて、身体的な疲労のケア、身体のコンディショニング手法としてより有効であることを確認した。

運動後にハンドシャワーによって40℃の湯で5分間身体洗浄をしたのち、全身シャワーによる温水浴もしくは交代浴を2週間以上の間隔を開けて実施した。被験者はみな実施日の後先のみランダムな条件で、湯温38~42℃で入浴時間16分の温水浴と、計16分の交代浴――38~42℃の温水浴3分、16.4~16.8℃の冷水浴1分を交互に4回繰り返す――とを体験した。

「運動で生じた大腿部の筋肉の緊張度が早期に緩和」、「運動で低下する下肢の柔軟性が早期に回復」をデータで示し、「最も快適で疲労感を和らげている」感想が得られた。全身シャワーによる交代浴の研究成果は、第74回日本体力医学会大会にて発表される予定だ。