産業のしくみから社会インフラに至るまで、様々なフィールドでデジタル化が進展している。昨今、商業施設やイベント会場、街中でも多くみられる監視カメラもその延長線上にある。しかしそれらの映像データは、個人情報保護およびセキュリティの観点から、特別慎重に扱うことが要求される。
たとえば、鉄道の踏切で問題が発生した場合、現場の状況確認に手間と時間がかかるため、監視カメラの映像を活用して作業効率を上げたい――と思っても、不特定多数のプライバシー保護や、セキュリティ対策のために、第三者が管理するクラウド環境に映像データをアップロードするサービスは、これまで導入が困難であったという。DNPは、遠隔地の状況を映像でリアルタイムかつセキュアに確認できる「リモート監視機能」を開発した。
同社独自の画像処理解析技術やセキュリティ技術とカメラを組み合わせた「DNPセキュア監視サービス」のひとつとして、これを8月22日に提供開始した。同機能では、既存のセンサー等で問題を検知した際、DNP Multi-Peer VPN®のセキュア技術で保護されて通信される映像データによって、迅速に現場の状況を確認できる。映像データはクラウドに保存されないため、不特定多数の人が映り込む公共の場のしくみにも適用可能だという。
「リモート監視機能」は遠隔地にあるカメラの映像を閲覧端末で確認できるもので、屋外利用可能なネットワークカメラ、LTEゲートウェー、カメラや映像データを保護するソフトウェアVPN(管理サーバーと各機器に組み込まれるクライアントソフトウェア)で構成される。ユーザーは、自社内で個人情報保護およびセキュリティ対策を行い、遠隔操作で現場の状況を速やかに確認でき、迅速な初動対応が可能となる。
今回の技術は、建築現場やインフラ・物流施設、教育現場など、現地の状況を即時かつ確実に視たいところでの利用にも適しているという。