自動運転時代に向けて、水陸マルチモーダルMaaSを実証する

IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)などの先進技術を活用する「自動運転」時代がやってくる。世界では昨今、移動手段をサービス化する「MaaS」の実用化も進められていて、複数の交通機関を連携させる「マルチモーダル」の研究も盛んだ。

国土交通省の平成30年資料(PDF)には「欧米を中心にマルチモーダルサービスの構築事例が次々と出現」とあり、それらの事例はほぼ陸上交通を対象にしたものである。が、同省の平成15年度白書「第Ⅱ部 国土交通行政の動向」における「マルチモーダルな交通体系の構築」には、空港や港湾との連携も視野に、産業の国際競争力の強化を図るとともに、利用者が求めるドア・ツー・ドアのサービスを提供をめざしているとある。

近い将来に実現されるだろう陸海空が連携するマルチモーダルによるMaaSを想定して、電通東京海洋大学MONET Technologiesは共同で、ラストワンマイル移動を含む陸上移動手段と水上交通手段を組み合わせた「自動運転型水陸連携マルチモーダル MaaS」の実証実験を、水都創造パートナーズの協力の下、来月初旬に都内で実施する。

海洋大提供の「自動運航船らいちょうⅠ」、MONET提供の「配車プラットフォーム」、電通提供の「船着場利用管理システムTriangle Connect™」等を組み合わせた水陸マルチモーダルMaaSモデルを試行し、検証するという。実証実験の結果について、9月5日(木)に行う討論会を通じて総括・公開することで社会の関心を喚起――。

'20年代以降に本格活用が予想されるマルチモーダル等によるMaaSや自動運転技術の普及促進を図り、水陸連携をはじめとする国内外の交通課題の解決に貢献する。移動中の体験価値を高めるための方法も検討する、実証実験は関係者のみの参加だが、8月20日「東京舟旅」に詳細が掲載される総括討論会は、自由参加かつ無料だ。