IoTで熱中症対策や見守りなど、新たな住民サービスを創る

「持続可能な開発目標」策定から4年を経た今年7月、気候変動がその前進を脅かしているとの警告が出された。地球の平均気温は年々上昇を続けている。日本において真夏の暑さはまさに殺人的である。

国連のプレスリリースには上記脅威の対策として、温室効果ガスの排出量削減が例示されている。その削減は雇用の創出、より暮らしやすいまちづくり、すべての人の健康と豊かさの向上にも役立つだろう。しかし日本の夏は現状とくに、ヒートアイランド現象が進行する市街地において、アスファルトやコンクリート、ビル間の風通しなどの諸条件により、高い気温を記録し、熱中症患者が増加している。

8月6日、三井不動産と、三井共同建設コンサルタントセンスウェイ柏の葉アーバンデザインセンターは、地域で"モノのインターネット"普及・活用をめざす「柏の葉IoTビジネス共創ラボ」の環境作業部会プロジェクトとして、柏の葉エリア約4㎢内の28箇所に気温・湿度を観測できるLPWA(省電力・広域無線通信)センサを設置し、データを蓄積・分析して熱中症対策や見守りなど、住民サービスの創出につなげていくとした。

約500m間隔で24箇所、学校、病院、商業施設など4つの重点施設にも設ける。国際的技術同盟が定めたLoRaWAN™規格のIoTセンサによって、気温・湿度の計測把握を行う。計測データをもとに、緑化箇所の増設や噴水・水景施設の活用など、街づくりの観点から効率的なヒートアイランド対策を検討する。各拠点の温度・湿度データは、子供の屋外活動や登下校時に水分補給のアナウンス等――

リアルタイム通知に活かすことなども検討していくという。4者は、同プロジェクトの気温・湿度のデータを「柏の葉スマートシティコンソーシアム」に提供し、柏の葉エリアにおける「パブリックスペース」や「ウェルネス」に関する取り組みを促進する基礎的なデータとしての利用をめざしていく考えだ。