ものづくり設備の稼働をAIで自動監視、生産性向上を実現する

人工知能(AI)の活用がさまざまな産業分野で進んでいる。近年、製造業の現場では、AI監視による製造装置の異常検知や故障予測など、予知保全をテーマにしたものづくりの品質担保や生産性の向上が期待されている。

しかしものづくりの現場によっては製造装置の種類が多く、同じ製造装置でも機差(装置ごとの特性)や製造品の違いによって稼働状態が異なる。装置ごとに稼働の監視用AIを開発する必要がある。製造装置の監視システムへの組み込みにも工数がかかるため、AI監視の導入が難しく、実際には効率的な保全による生産性向上が期待できない状況だという。

TEDは、生産設備の稼働状態変化を検知する稼働監視AIの生成・監視を自動で行い、稼働監視運用を支援するクイックAI監視ソフトウェア「CX-W」を開発。通常の稼働状態からの変化を警告指数として定量的に記録・表示する、装置ごとの稼働情報から監視用AIを現場で自動生成し、リアルタイムに稼働監視し変化をとらえる、同ソフトウェアの販売を今月6日に開始した。

製造装置から通常稼働中のデータを取りこみ、その数値分布や相関関係を学習し、装置の種類や特性、製造品などに合わせた装置ごとの監視用AIを生成する。CX-Wのユーザーは、学習データを個別に用意する必要がなく、監視用PCに同ソフトウェアをインストールするだけで簡単に監視用AIの生成・監視ができる。製造装置の稼働状態に変化があった場合、警告指数がPCに表示されるので、すぐに予知保全対策を講じられる。

原因となったデータの種類と変化の度合いを示す警告指数を判定する、CX-Wは、エッジコンピューティングのみによって、製造装置の不具合や故障による製造ラインの停止や不良品が発生しない安定したものづくりを実現し、生産性向上に寄与するという。同社は、製造企業に同製品及びソリューションを提供することで、3年間で2億円の売上を見込んでいる。