複数Webメディアにまとめて広告配信するアドネットワークを利用したり、RTB(リアルタイム入札)のしくみによって配信されたりする。「ネットワーク広告」を自社の広告枠に掲載することで、Webメディア各社は収益を得ている。
ネットワーク広告にはメリットがある一方、配信されてくる広告を媒体社側で完全にコントロールできないことが課題となっている。運営するWeb媒体には不適切な広告が掲載され、ユーザーに不快感を与えたり、媒体の世界観を損ねたり――。ブランドを毀損するリスクをはらんでいる。インターネット広告市場の伸長に伴い、危険への対策が急務となっている。
媒体社の希望に応じて広告原稿の全件を審査できる機能を提供。DSP(枠を自動で買い付ける広告主側プラットフォーム)を通じて配信される広告を業界カテゴリ単位で審査し、配信許可/ブロックできる機能も提供している。が、原稿ごとの細やかな審査ができない。さらに、媒体社が自ら審査を行うにしても、その量が膨大で負荷が重い、収益性が高くともDSP広告を配信することは難しい状況だったという。
GMOアドマーケティングは、人工知能(AI)技術を取り入れた独自の広告審査システムを開発し、これを8月5日、媒体社向け広告配信プラットフォーム「GMO SSP」に実装した。これにより、ネットワーク広告によるブランド毀損リスクを重視する媒体社をはじめ、GMO SSPユーザーは、審査にかかる負担を大幅に削減できるうえ、広告ごとにより精密な広告審査が可能となる。
同審査システムは「AIを活用した広告審査アシスト機能」、「DSP広告の配信後審査機能」、「DSP広告の事前審査配信機能」を備えていて、審査業務の負担軽減や、収益機会の最大化とブランド保護との両立を具現化する。広告品質の懸念からそれを積極的に行っていなかった媒体社でも、DSP広告の配信ができるようになるという。