横浜美術館でスマホをかざして作品を知る Posted 1 hour ago

横浜生まれの版画家でフランスにて高い評価を得ていた。長谷川潔が1935年にレジオンドヌール勲章を受章したことは、国語大辞典でわかる。かれの作風は美術館でしか実感できない。一市民にとって、シュールレアリスム的画風を確立したスペインの画家ミロの作品だって――

学芸員を煩わさず、作品を鑑賞しながらその作品の関連情報を知れたらきっと嬉しい。「横浜美術館コレクション展」を開催中の横浜美術館と、NTTテクノクロスNTT東日本神奈川事業部アクアビットスパイラルズは、8月5日~9月1日、同展示会において、美術作品にスマホカメラをかざすことで作品に関する情報を表示するサービスの実証実験をおこなう。

対象作品は、長谷川 潔『花束』、ジョアン・ミロ『花と蝶』など、同コレクション展の出品リスト中の39点。来館者に作品鑑賞をより気軽に楽しんでもらうことを目的に、画像認識AIサービス「かざして案内® for Biz」を活用して、来館者自身のスマートフォンを展示作品にかざすことで作品に関する情報を画面に表示する。そして、ミュージアム系施設における同サービスの有用性と利用時の操作性を検証する。

案内看板や建物、商品等にスマホをかざせば経路案内や観光の詳細情報などをスマホの設定言語で表示する。AI技術corevo®の「アングルフリー物体検索技術」により、斜めからでも遮蔽物があっても、対象物を高精度に認識可能だという。「かざして案内」サービスの提供と利用状況の把握をテクノクロスが担当。NTT東日本が「ギガらくWi-Fi」通信環境の運用をサポートする。

サービスへのアクセス用にスパイラルズが「スマートプレート」を提供し、展示の運営とコンテンツ作成を横浜美術館が担当する。4者の協同により、来館者は作品名や制作年などの情報を手元で知ることが可能になる。美術館は鑑賞シーンの多様化による来館者の満足度向上を図れるという。